私立大学を受けるために必要な受験戦略

ポイント

私立大学を受験する上で必要なことは、受験日程や試験の種類で戦略を立てることです。一つの大学で複数の学部、複数の日程、複数の種類で受験できるようになっているため、初めての高校生たちにはわかりにくくなっています。そこでいかに戦略を立てていく必要があるのかをお教えいたします。

私立大学受験にある3種類の対策とは?

ここでは、大学ごとに違う科目ごとの分析(英語は○○が出やすいなど)ではなく、受験そのものに関する対策を説明してきます。科目ごとの対策は、大学別のページがありますので、そちらをチェックしてください。 大学受験には、大きく分けて2種類の対策があります。

「受験科目に関する対策」「日程・種類の戦略」「併願の戦略」

受験科目に関する対策

受験科目や配点が学校や学部ごとで異なります。特に私立大学の入試では、試験科目数が少ないため、「得意な教科の配点をいかに高くするか」がポイントになります。どうしても行きたい大学や学部などが決まっている場合は仕方ありませんが、受験校を決める前から戦略が始まっています。

例えば、数学が得意、国語が苦手。という場合は、数学の配点ができるだけ高く、国語が受験科目にない大学や学部を探すことになります。

私立大学を受験する場合は、すべての教科が高得点である必要はありません。特定の科目でしっかりと点数が取れればよいので、塾に通う場合は、志望校を決めてからがいいと思います。塾などで不必要な科目にお金と時間をかける必要はありません。

日程・種類の戦略

私立大学の場合、入試日程や種類がたくさんあります。国公立大学を受験する場合は、試験日程が「前期」「後期」しかなく、全大学が同一日程のため、一つの大学しか受けることはできません。それに比べると、日程・種類が多くなっているため、複数の試験を受験することができます。

日程

まず、日程を決めるための極意は、 第一志望の大学と学部を中心に構成する
実は、これが私立大学受験における最大の武器です。

模試のA判定とは80%以上の確率で合格することを意味しています。仮に80%だとした場合に、A判定でも20%は落ちることになります。
しかし、同じことを二回できるとすれば、落ちる確率は4%になります。つまり、できるだけ何回も試験を受ける必要があります。

そのため、複数の私立大学を受験する場合は、試験日程をしっかりと調査して、自分の第一志望の大学と学部の試験をたくさん受けられるようにしましょう。

種類

私立大学の入試には、大きく分けると「筆記試験のみ」「センター+筆記試験」「センターのみ」の3種類があります。
自分が一番、得点を取りやすい方法にするのが一番ですが、それぞれの特徴を押させておく必要があります。

まず、最も多くの受験生が勘違いしている「センターのみ」の試験です。センター利用と表記されている場合が多いです。最も大切な特徴は、難関大でセンター利用で受かるためには8割以上の得点率が当たり前ということです。 難関大の場合、筆記試験がセンター試験より難しいことがほとんどです。そこで、多くの受験生がセンター利用で受けよう!と決めてしまいます。しかし、これには相当な注意が必要です。

センター利用は合格者も少なく、出願者の多くが難関国公立志願者になります。つまり、筆記試験を受けているライバルより、はるかに高いレベルの受験生が競争相手です。そのため、その大学に楽々受かる学力でない場合は、センターのみは要注意です。

基本的には、筆記試験を受けることを前提として、センター+筆記試験を補助用と考えるといいと思います。センターのみはギャンブルに近くなります。

併願の戦略

最後に、多くの私立大学では、一回の試験で複数の学部を受験できる「併願」が可能になっています。これにより、多くの学部に合格できるチャンスがあります。しかし、デメリットは、併願するたびに受験料が高くなることです。

もちろん、無尽蔵にお金をかけることができる場合は、徹底的に併願してください。しかし、多くの受験生はそうではありません。そこでいかに効率的に併願をしていくかを考える必要があります。

併願の最も効率的な戦略は、偏差値が低く、募集人数が多い学部を併願に入れておくことです。この併願の役割は、滑り止めです。つまり、自分が志望している学部に落ちた場合の保険の役割が大きいです。 この保険の役割を理解せずにあっちもこっちも出願するのは危険です。私立受験の場合、受験料が10万円を超える受験生が多くいます。お金をかけるところ、かけないところを見極めながら併願していきましょう。

私立大学受験の戦略こそ塾の実力

この私立大学の受験ですが、初めての高校生や保護者には難しすぎます。ここまで、説明を書きながらも、まだ話さなければいけないけど、伝わらないだろうな…と思い省略していることがたくさんあります。そして、この文章を完璧に理解できた方も少ないのではないでしょうか。

そこで、私立大学受験こそ塾の実力が試されます。情報量の少ない塾長に相談してしまい失敗した例がたくさんあります。以下のポイントに当てはまる塾は要注意です。

  • 全国や広範囲に何教室もあるチェーン塾
  • 個別指導で、塾長が授業をしていない
  • 社員は塾長のみで、残りはアルバイトの講師

この3ポイントが揃ったときは危険です。塾長には営業ノルマが課されていることが多く、売り上げを確保しなければいけません。そのため、合格させることではなく授業を取ってもらおうと必死になっている場合があります。

こういった最悪の場合を避けるポイントは、

塾長自身の受験歴と教室の合格実績を確認

まず、塾長自身に難関大を受験した経験があるかを確認することです。大人の立場ではなく、自分が難関大を受けたことがあるのかは重要です。特に、各教科だけの講師では、その教科はプロですが、教科ごとのバランスなどが曖昧になっている場合があります。例えば、英語の講師が一日8時間英語をやれば受かる!と言った場合、他の教科をいつやるのかを考えていません。 一番の理想は、塾長自身が志望する大学出身者であることです。

しかし、そうでなくても優秀な先生はいます。その場合は、その教室の直近の合格実績を確認してください。塾長自身が指導をした生徒が本当に合格しているかです。
ただし、これには相当な注意が必要です。塾生がもともと頭がよかった、学校の進路指導が優秀だった、推薦で合格したなど、合格実績だけでは見えてこないことがあります。

本当に今の塾長で大丈夫かな?と感じたら、他の塾や学校の先生に必ず相談してください。先生に少しでも疑問を感じたら、他の専門家に聞かなければいけません。一人の間違えた知識が、高校生の一生を左右することになります。