西南学院大学の傾向と対策

ポイント

西南学院大学は私立大学のため、試験日程や種類がたくさんあります。それらをうまく組み合わせながら、戦略を立てていく必要があります。特に文学部の英語系では英語の配点が高くなっているため注意が必要です。九州の中では最難関の私立大学であるため、試験問題も独特で、難問も紛れているのでしっかりと対策をしていく必要があります。

全体概要

西南学院大学の場合は、英文科を除けば、「国語」「英語」「社会or数学」がそれぞれ100点ずつの均等配分です。教科数が絞られているため、他の受験者もしっかりと対策をしてきます。そのため、苦手教科で平均点を取りながら、得意な教科でしっかりと点数を稼ぐ必要があります。

西南学院大学の中でも最も人気が高く、レベルが高いのが「文学部 外国語学科(英語専攻)」です。英専(えいせん)と呼ばれ、英文学科に比べてコミュニケーションに重点をおいて、授業を英語で行う科目も多くなっています。
英語の配点が、国語などに比べて二倍になっているため、英語が得意な人が集まります。英語で点数を取ることは当たり前で、それに加えて国語や社会で差をつけなければいけません。

試験科目と配点

 

英語

国語

社会・数学

文学部 外国語学科(英語専攻)

200

100

100

文学部 英文学科

150

上記以外

100

試験日程と併願で戦略を立てる

西南学院大学も他の私立大学と同様に、試験日程や種別が複数あるため、戦略を立てて出願しなければいけません。この戦略をミスして、本当に行きたいところに行けない、莫大な受験料がかかってしまった。ということをよく聞きます。もちろん、個人個人の状況によって違うので、進路担当の先生としっかりと相談してください。

なぜ戦略を立てる必要があるかは、こちらを読んでみてください。ここからは、西南学院大学に限定した受験戦略をご説明していきます。

一番行きたい学部がどこかを決める

必ずしなければいけないことは、一番行きたい学部を決めてください。西南ではA日程とF日程の2種類があります。

A日程・・・学部ごとに違う試験日
F日程・・・全学部統一の一回の試験

一番行きたい学部は、A日程とF日程の両方で受験することができます。しかし、F日程では1つの学部しか出願することができないため、第一志望の学部は2回、そのほかは1回の受験になってしまいます。 合格の確率を高くするためにも、第一志望をしっかりと決めて、F日程の使い方を考えることが一番の対策になります。

センター利用・センター併願の扱い方

西南学院大学の場合は、センター利用の合格最低点がすごく高いです。センター試験の対策をあまりやっていないなど、私立大学メインの場合はセンター利用はお勧めしません。

しかし、センター利用を必ずやったほうがいい高校生もいます。それは、 特定の教科に特化した受験生 センター利用やセンター併願の場合では、すべての教科の点数を使いません。そのため、ある特定の教科だけ点数がしっかり取れる場合は、必ずセンター利用を出願してください。

特に国公立大学をメインに考えていて、センター対策をしっかりやっている場合、西南学院大学自体の対策が疎かになっている場合があります。そういった時に、センター利用などを使いながら、他の高校生からのビハインドを補う必要があります。

教科ごとの傾向と対策

【英語】マニアックな熟語を含む文法問題

西南学院大学の英語は、文法に出題される熟語や構文がマニアックなことが多くなっています。英専の受験者たちの差をつけるためでしょうが、他の学部を受ける場合にも注意が必要です。 特に西南学院大学は、文系の大学のため英語が得意な受験生が多く受験します。最も対策に時間がかかる教科であることは間違いありません。

センター試験と違い、時間にはある程度余裕があります。センター試験で必要とされる読解速度であれば問題ありません。そのため、英文を読む訓練よりも難易度の高い構文や単語・熟語に時間を割いていきましょう。西南学院大学よりも少しレベルの高い私立大学の過去問などを解きながら、出てきた単語や熟語を覚えていくとよいと思います。

【国語】論理的に考える力と語彙力を身に着ける

センター試験の国語のように、超高速で読んで情報を処理する問題ではありません。読む時間はゆっくりあるので、一つ一つの接続詞や重要語句を分析する力をつけるようにしてください。
語句補充や選択問題など、しっかりと文章を読んでいけばわかるように書いています。高速で読むことより、何度も読み返しながら解くことを心がけてください。そして、対義語や現代文で頻出の重要単語は、ドリルなどで抑えておいてください。文章が短いため、一つの語句がわからないと文章全体がわからないことに繋がります。

また漢字や文学史なども一部出題されます。漢字は難しい問題もたまにありますが、基本的な問題も出題される傾向にあります。そのため、基本的なところで他の高校生に差をつけられないようにしてください。高校生向けの漢字帳は四字熟語なども含めて一通り暗記してください。 文学史は特段の時間を使うよりは、出てきたものや隙間時間などで少しずつ入れておくのがいいと思います。マニアックな場合もあるので、そういった問題は気にしないようにしましょう。

【社会・数学】教科選択が勝負の分かれ目

社会(日本史、世界史、地理、政治経済)と数学で選択する必要があります。

社会で受験をする場合、西南学院大学では私立特有のマニアックな社会の問題が出題されます。もちろん、オーソドックスな問題もありますが、一部にはマニアックな問題があります。立命館や同志社など少しレベルが高い大学の過去問を必ずやってください。
西南学院大学を過去問だけで受験しようとする高校生が多くいますが、マニアックな問題に対応するためには過去問では不十分です。資料集などで詳しい語句までチェックしていくことを忘れないでください。
中学生のころ公民が得意だった場合(ほとんど勉強せずになんとなくわかっていたなど)は「政治経済」を一度検討に入れてください。マニアックな問題はもちろん出題されますが、日本史などよりも解きやすい場合や勉強をしやすい場合があります。

数学を選択する受験生は多くありませんが、社会に拒否反応がある受験生もいます。数学はセンター試験のように空欄に当てはまる数字を記入していくタイプです。
しかし、センター試験にはない「ノーマーク」というものがあります。これは、解答欄が三桁でも、答えは二桁しかなくて、先頭はノーマークを選択しなければいけないというものです。これがあるだけで、相当レベルが変わるので注意してください。
よっぽど社会が嫌いで、数学ができる場合を除いて数学で受験することはお勧めしません。数学が得意な人から見れば、社会よりすごく簡単に見えます。数学が得意であれば、マニアックな問題が出る社会よりも高得点を狙うことができる教科だと思います。