【数字で見る】国公立大学に合格する目安

国公立大学を目指すことを数字にしてみました

高校生の多くが「国公立大学を目指したいです」と言って、塾の入塾面談にいらっしゃいます。
もちろん目指すことは否定しませんが、”現実的なのか”というところを数字を使って分析していこうと思います。

「国公立大学」という曖昧な目標ではなく、実際に数字にすることで「どれくらい足りないのか」「どれくらい勉強すればよいのか」というのがわかりやすくなると思います。

(注意)
あくまで、数字上の分析であり「お前は絶対に無理だ!」ということではありません。
努力することを否定するものではありません。
ただ、今からしようとする努力が、どれくらいのものであるかを知ってもらい、参考にしてもらうためのものです。

全国の中学校の数

まず、知っておきたい数字が「全国の中学校数」です。

10,270校(平成30年度)

全国には、国立・公立・私立を合わせて10,270校の中学校があります。(出典:文部科学省公式HP)
中には1学年で10人前後のところから、数百人規模の学校まであると思いますが、細かい分布に関しては省略します。

国公立大学の入学者数合計

一方で、国公立大学の入学者数の合計は

95,650人(令和元年度)

日本全国の国立大学と公立大学の入学定員の合計は、95,650人です。(出典:文部科学省公式HP)

各学校の上位9番に入る必要がある

さて、この2つの数字から単純計算をすると、国公立大学に合格するために必要な数字がわかります。

それぞれで中学校の事情は異なると思いますが、全国平均として9番に入らなければいけません。
もちろん、上位層すべての子が国公立大学に進学するわけではないので、目安としては15番くらいまででしょうか。

ちなみに、旧帝大(東大・京大・九大など)は合計で約19,000人なので、さらに狭き門です。
国公立大学のうちの3分の1なので、上位2番までに入れるかどうかです。
(ちなみに、MENSAが人口の上位2%なので、旧帝大がちょうどそれくらいです)

本当に目指す覚悟はあるのか?

確かに、金銭的に国公立大学を目指して欲しい!という保護者の方の気持ちはわかります。
しかし、一度よく考えてもらいたいのが、本当に目指せるかどうか?です。

それなりに人数のいる学校なら、上位9番というのは並大抵の努力で入れるものではありません。
普段の授業を理解し、宿題をこなし、家や塾で復習・演習をしている子だけが入れる順位です。
それをしても入れない子がたくさんいます。

とりあえず国公立大学を目指すデメリット

「ダメでもいいから国公立大学を目指して欲しい」というご意見もあります。
ただ、その時は必ず以下のことを確認することにしています。

本来、その子が行けていた私立大学より、
一つ下のレベルの大学を受けることになります。

国公立大学と私立大学では、「教科数」が圧倒的に違います。

ほとんどの国公立大学は、5教科7科目が必要になり、理系でも国語・社会、文系でも数学・理科といった教科が必要になります。
一方の私立大学では、ほとんど3〜4科目で受験することができます。

中学生のころと違い、1教科にかかる勉強時間は膨大になります。
社会1教科をするときも、何ヶ月も勉強して成績が上がらず半年くらいしてやっと数点〜数十点上がる。というのが一般的です。
高校生の学習内容はそれくらい難しく、分量の多いです。

これらの時間を他の教科の勉強に当てた子とそうでない子では圧倒的な差が生まれます。
国公立を途中で断念した場合、「本来ならその子が目指せた私立大学よりも、低い大学を目指すこと」になります。

国公立大学を目指すということ

それでも挑戦したい!という子を否定するつもりは全くありません。
今の成績が悪い子が絶対に国公立大学に行けない!というつもりはありません。

しかし、そこまでの覚悟を持って目指して欲しいと思います。
保護者の方々にも、こういった現状をわかった上で「国公立大学を目指して欲しい」とお子さんに伝えてあげてください。

よく「うちは国公立大学以外は無理だから」と伝えて努力をしてもらおう!と思っている方がいらっしゃいます。
しかしそれは、「中学校の上位9番に入らないと大学に行かせない!」とお子さんに伝えるものです。

親のこの言葉で、無駄な時間を過ごしてしまう高校生をたくさんみてきました。
本当にどこを目指すのか、家族で話し合ってみてください。