【計算ミスとはお別れ!】プロ講師が教える計算ミス撲滅メソッド

「もう!また計算ミスして!何度言ったらわかるの!?」
計算ミスが多い子っていますよね。何度注意しても治らない、単純な計算なはずなのにすぐ間違える。こんな状態ってすごくイライラしますよね!

「こんな子を何とかしたい」と思う保護者の方に、大学受験を教える理系講師が、授業にも取り入れている方法をご紹介します。

 

こんにちは、『桜学ゼミ』の塾長の後藤です。

実は計算ミスというのは、5つの原因で起こります。
その子がどの原因で計算ミスを起こしているのかを見極めて、それぞれに合った対策を行うことで、驚くほどスムーズに計算ミスを減らすことができます!

メインは小学生の保護者を対象にしていますが、中学生や高校生にも言えることがたくさんありますので、参考にしてみてください。

計算ミスが起こる5つの原因

計算ミスには原因があります。同じ子でも、成長していくにつれて原因が変わっているときがあります。
まずは、その原因をはっきりさせない限り、きちんとした対策をすることができません。お子さんがなぜミスをしているのかを見極めましょう!

原因は以下の5つに分類されます。
以下の分類は、高難易度順に並べてありますので、一番上から疑っていってください。そして、ここはクリアしているというところを見つけて、その一つ上から順に対策を行っていきます。

  1. 勉強に対する持続力が低い(勉強のしすぎ)
  2. 問題が難しすぎて、計算以外に注意力が分散している
  3. 計算式が汚くて自分でも見間違える(計算の書き方が違う)
  4. 計算処理の演習が不十分
  5. そもそも治す気がない

難しい文章題を解いていて計算ミスが出てくる子は、1~4。単純な計算ドリルなどで計算ミスが出てくる子は4~5を疑ってください。

勉強に対する持続力が低い(勉強のしすぎ)

努力できる子が陥りがちなワナです。
「机に何時間も座って勉強しているのに、なかなか成績があがらない」といった子はこの傾向があります。人間ですので、個人差はあれど疲れてくればミスは増えていきます。特に2時間以上、続けて勉強をしている子は注意が必要です。

ある程度のテスト以外は2時間以上の時間、問題を解き続けることはありません。算数でいえば、数学オリンピックや数学に特化した大学入試くらいです。

確認方法

その子が難なく解けるレベルの(簡単すぎてはダメ。6割くらいの力でできるレベル)計算用の問題集を用意します。
まず、勉強を始める前に2ページほどそれを解いて正答率を確認します。
そのまま算数以外でも構いませんので、勉強をしてもらって、1時間後に同じレベルのページをさせて正答率を確認してください。

この時に、正答率が明らかに下がっていれば、勉強に対する体力が不足していることで、計算ミスが起こっていると考えてよいでしょう。

解決方法

体力をつける方法は、筋トレと同じ考え方です。
その子の体力の限界よりも、少し上の勉強をしていくことです。1時間しか持たない子であれば、1時間15分おきに休憩を入れる。1時間半の子は、1時間45分ごとに。といった感じで、その子の限界より10分~15分長い時間で行いましょう。
そして、それを徐々に長くしていきます。

ただ、勉強はダラダラ長くすればいいものではないということは心にとめておいてください。
長くても、その子が目指している試験の1.5倍の時間までが理想です。

問題が難しすぎて、計算以外に注意力が分散している

中学受験など、今の自分のレベルよりもすごく高いところを目指している子に見られる現象です。
スマホでゲームをしながら、車を運転すると事故を起こしてしまうのと同じ原理です。人間は二つのことを同時にできるわけではありません。一つのことに集中しなければいけません。

確認方法

今やっている問題集より、簡単な問題集を解かせてみてください。

このときに、先ほどよりも計算ミスが減っていれば、自分の能力以上の問題を処理しようとして、集中力が分散しているためです。

解決方法

これは多くの子が陥ります。というより、この段階を踏まずに勉強ができるようになるわけありません。こういう場合は落ち着いて対処すれば大丈夫です。

まずは、計算ミスをせずに解けるレベルの問題集がどのあたりなのかを調べます。そして、その一つ上の問題集を繰り返し行うと効果的です。
計算ミスはたびたび出現しますが、それは問題のレベルに慣れてくれば減っていきます。

計算式が汚くて自分でも見間違える

これは、男の子に多いのですが、意外に女の子にもチラホラいます。字が汚いということと、式を書く順番が理にかなっていない場合があります。
ノートの計算の書き順に関しては、別のページで紹介していきますので、そちらをご覧ください。(後日更新)

確認方法

【字の汚さを確認する】

お子さんが書いた字の両端を隠しましょう。そして、1文字しか見えない状態にします。
「6789」と書いている場合は、「67」と「9」を紙などで上から隠して「8」を読ませるようにといった感じです。

これで読み間違えるようであれば、確実に自分の字が原因で計算ミスが起こっています。

【計算式の書き方を確認する】

こちらは、計算の書き順のページをご確認ください。

解決方法

この問題の場合は、解決方法は簡単です。

字をきれいに書いたり、正しい書き順になるように練習をしていくことです。
学年が上がるほど、式の書き順については修正するのが難しくなるので、お母さんたちがしっかりと横についてみてあげてください。
体に染みつくまでに、3~6ヶ月ほどかかる場合がありますので、しっかりと見守ってあげてください。

計算処理の演習が不十分

中学受験レベルの子以外で、算数が苦手な子はこの原因であることが多いです。
学校の宿題などで出る計算問題を間違えてしまう子は、ほとんどこれが原因だと思ってもらって大丈夫です。

確認方法

単純な計算ドリル、学校でもらっているレベルのもので、計算ミスが起こるようだったら練習不足です。苦手な子はほとんどここになると思います。

解決方法

まずは、計算はどのレベルまでできればいいのかを誤解しているときが多いです。

無意識に近いレベルが必要

イメージは自転車の乗り方です。

自転車というのは2つのことを同時に行います。「足を動かしてペダルを漕ぐ」「状況を見ながらハンドルを操作する」という2つの動作です。
この時に、ペダルを漕ぐことに意識が集中している人がいるでしょうか?「今右足を下したから、左足の力を弱めて…」といったように考えていたら電柱や人にぶつかりますよね?

計算の基礎力も同じです。計算だけが目的ではなく、その先にある複雑な問題を解くためのツールでしかりません。ペダルを漕ぐくらいまで自然なものとして、体に染み込ませる必要があります。

この計算練習は、最低でも1つの計算動作(足し算、掛け算、分数など)ごとに2周は計算ドリルをやってください。
学年が上がった子ほど、何周も行うことになります。

保護者の方が見るのが辛い場合は、「公文式」もおすすめです。
公文式では、先生がプリントを一つずつ丸付けをしてくれるので、その先の計算の書き順まで見てくれることが多いです。そして、プリントでの宿題もあるため毎日の繰り返しができます。

 

この段階で最も大事なことは、「毎日繰り返す」ことです。ダイエットと同じですね。

そもそも治す気がない

このタイプは最も厄介です。そもそも勉強自体が嫌いで、「これをやって何の意味があるんだろ?」と思っている場合がほとんどです。
このタイプは長期戦になることがほとんどなので、お母さんたちも根気強く向き合っていく必要があります。

確認方法

長期休みの宿題の進み具合をチェックします。この段階までチェックが進んできていて、長期休みの宿題を最後の1週間くらいまで白紙だった場合は、このタイプの疑いが高いです。
特に、算数の宿題だけが手付かずという場合には、高い確率でこのタイプです。

解決方法

勉強をすることや、計算ミスを治すことを言いすぎてはいけません。さらに軋轢を生んでしまい、もっとひどくなる場合があります。

まずは、将来の夢や今夢中になっていることを話してみてください。そして、それらにまつわる場所に家族で出かけるなどをして、「そのためには勉強をしなければいけない」と思ってもらうことが大切です。

 

また、勉強における成功体験も不足しています。
算数以外の得意な教科(その子のやる気のある教科)に絞って勉強をしてみてください。英検・漢検などが手ごろでいいと思います。
そこで、「勉強ってやればできる」と思ってもらうようになれば、計算ミスをなくそうと考えてくれるきっかけになります。

このタイプになっている場合は、お母さんたちも決して焦ってはいけません!

それぞれに適した対策を!

算数は苦手な子が多い教科です。
そして、保護者の方が苦労せずにできた場合、教え方に困る教科でもあります。

ちゃんと、お子さんがどのステップで躓いているのか、確認をしてコツコツと対策をしてあげてください。

そのほかの算数の対策についてもご紹介していきますので、ご確認ください。(後日更新)