文系脳の子どもを理系に行かせるコツ

こんにちは、『桜学ゼミ』塾長の後藤です。

正月に実家に帰った時のことです。近所や親せきの挨拶周りをしているときに、塾を経営していることを知った方から、「小学生の子どもがいて、うちの子を理系に行かせたいと思ってるんだけど、どうしたらいいかな?」とご質問をいただきました。

文系脳だけど、理系に行かせたい!

『うちの子は、文系の方が得意層だけど、将来を考えると理系に進んで欲しい』と考えている方は意外に多いのではないでしょうか?
ただ、苦手な勉強をさせることは可哀そうだし、諦めて文系に行ってもらおうかなと思っていませんか?

高校生のお子さんの場合は、文系が得意なのに理系に行かせることは難しいですが、小学生や中学生のお子さんなら変わっていくチャンスがあります!

理科が得意!にならなくても、嫌いじゃない。なんとかできる。くらいまで持っていくことができれば、理系の大学に進学することは十分可能です。

 

理系と文系の分かれ目

小学生になるくらいの段階で、多くの場合は「理系脳」と「文系脳」に分かれていると思います。
なんとなく、うちの子はこっちだな?と思っているのではないでしょうか。

 

文系と理系の分かれ目は、物事の捉え方だと思います。

例えば、「子供たちが初めて虹を見て、綺麗!と感じた瞬間」を思い出してみてください。

【理系脳の子供の場合】

どうして虹はあんな形(色)なの?
と、虹に対する原理や原則が気になってしまいます。「なぜ」「どうして」という質問が多い子になります。

一方で、

【文系脳の子供の場合】

虹の上って歩けるのかな?
と、虹があるという前提で、その先の物語やイメージなどを想像します。虹のふもとには宝物が埋まってるというアイディアもそうですね。

子供たちそれぞれの個性が見えてきて楽しいですよね。ただ、なぜ違いが生まれてくるのでしょうか。
実は、どちらの疑問を持つかというのは、言葉を覚えた段階での親の接し方や、親自身の言動に大きな影響を受けています。

子供たちが言葉を覚え始めたときに、周りの大人がどちらを聞かせていたかが重要です。

子供が電車に興味を持った時に、
「なぜ、電車はあんなに早いんだろうね」と言い聞かせるか、「電車はどこに行くんだろうね」と言い聞かせるかという積み重ねです。

 

もしも、まだまだ言葉を覚え始めたばかりの子がいる場合は、意識しながら接してみてください。

文系脳の子を理系に行かせるためには?

疑問の持たせ方は、幼稚園児くらいの段階になります。では、小学生・中学生になってしまったお子さんを、理系に進めたいなと思う場合はどうしたらいいのでしょうか。

実は、東大などのトップレベルの大学を目指さなければ、文系脳でも理系を目指すことはできます。僕らが運営する『桜学ゼミ』でも、明らかに文系脳の子を何人も理系の学部に合格させてきました。

 

そのようなことができた子の共通点は『正しいイメージ力をつけることができた』です。

大学受験までは、『理系の才能』でなくても『正しいイメージ』があれば、なんとかなってしまいます。
決まり切った範囲しか出題されない大学受験においては、イメージすらも覚えてしまえばいいのです。ノーベル賞のように新しいことを考え出すことは無理でも、国公立大学の理系に合格することは可能になります。

正しいイメージを付ける方法

数学や理科の科目において、現象をしっかりとイメージする訓練を積むことです。

よく理系が苦手な子は、理科を計算が中心の問題だと勘違いしています。本質的には「なぜその現象が起きるのか」というものが中心です。
計算は、その現象に対する証明でしかありません。正しくイメージができていなかえれば、そもそも計算式すら書くことができなくなります。

そういう子は計算問題ができないのではなくて、その前段階にある「現象をイメージする力」がないだけです。

 

その現象をイメージさせるために、「博物館、教育テレビなどの現象を見せてくれる場所に連れていく」といいでしょう。
忙しくてそのような時間がない場合には、現象として教えてくれる先生に習うことも大切です。

学校での指導は、40人程度を同時に教えるので、みんなに納得のいく計算を中心に教えてしまします。これが、文系脳の子たちを理科嫌いにさせる要因です。
できるだけ個別指導に近い形で、その子が納得がいくまて計算を使わずに、現象を一緒に見ていく先生を探すことだと思います。

桜学ゼミでも、このイメージができていない子には、半年近くかけて、計算をそっちのけにしてイメージを付けていく訓練を一人ずつ個別に行っていきます。
そうすることで、計算式を立てることもできるようになり、理科の苦手意識が改善されていきます。

理科は永久に完治しない病気と同じ

理科で習うことは計算ではなく、現象です。その現象が、どういう原理で起こっているのか?を理解することです。
これを理解してしまうと、その現象をほかの捉え方で見ることはできなくなります。

虹を、光の分散であるとわかってしまえば、次からはそれは光の分散であるとしか見えなくなります。才能のある研究者ですら新しい発見がしにくいのは、この固定概念が働いているためです。

ほんの数パターンの考え方で

理科や数学というのは、「違うように見えても実は同じ原理」で動いているものを、一緒のものであると認識する学問です。
しっかりとイメージを付けていくことで、理数系の人が無意識に考えている当たり前に気づくことができます。そういった教え方をしてくれる先生や教材に出会えるのが、文系脳の子を理系に進学させるために欠かせないものであると思います。

 

ちなみに、大学受験のプロの先生たちの間では、「この当たり前を教えられる先生の少なさ」がよく話題になります。
むしろ、理科嫌いの子が多くなっているのは、私たち先生の責任も大きいのかもしれません。

周りにいる理科の先生たちに手あたり次第相談し、こういったことを理解している先生を探すことができれば、文系脳でも理系に進学できる子を育てることができます。

 

このあたりの理科や数学の面白さについては、リクエストがあればもっと詳しくお話させていただきたいと思います!