【小学生向け】勉強が苦手な子に今からすべき対策とは?

こんにちは、『桜学ゼミ』塾長の後藤です。

ある方からの「勉強が苦手な小学生の子がいるのですが、どうすれば大学を目指せるでしょうか?」というご質問をいただきました。

今回は、小学生から対策を考えている保護者の方に、どういった対策が可能なのかお話させていただこうと思います。

思った以上に早くから!?

学習塾の相談でよくあるのが、「いつから受験の対策をしたらいいですか?」という質問です。

大学受験の”教科の勉強”だけに関していうのであれば、「高2の夏くらいからは始めたいですね」みたいな感じで答えるのですが、“勉強する姿勢”に関しては小学生、もしくはもっと幼い時です。

まず、すごくざっくりした結論から言うと、国公立大学や難関大学に受かる子たちは「幼いころからの、勉強に向き合う姿勢」が圧倒的に違います。

 

まだ小学生やそれより幼いお子さんがいる保護者の方は「勉強に向き合う姿勢」を養うということを念頭に置いて接してあげてください。
この勉強に向き合う姿勢を養うことは、幼いころのほうが圧倒的に効果があり、むしろ幼いころだからこそできるものが多くあります。

しかも、これは保護者の方の接し方で変えていくことができるものです。
未来に大学を目指したい!となるかはわかりませんが、この姿勢は持っていて損はないでしょう。

勉強に向き合う姿勢と教科学習

大学受験には「勉強に向き合う姿勢」「教科学習」の二つが必要になってきます。

教科学習とは、一般的に言われている高校での授業の数学や英語などです。これに関しては、高校生になってからでも十分です。

 

次に小さいころから養うことができる、「勉強に向き合う姿勢」についてです。

「勉強に向き合う姿勢」とは、3つの構成要素からなります。

1つ目は、『長時間の勉強に耐える集中力』です。大学受験は相当な勉強量が必要になります。特に国公立大学や難関大学を目指そうとするのであれば、絶対的に必要な勉強量を補うだけの時間、机に座っていなければいけません。

2つ目は、『勉強の基礎体力』です。これは、小さいころから積み重ねてきた「計算力」や「語彙力」などです。この基礎体力は、入試直前になって養うことは一苦労です。教科学習に集中するためにも基礎体力が必要です。

3つ目は、『わかりたい!という知的好奇心』です。どれだけ学校や塾で教わっても、入試本番で解くのは子供たちです。人に教わったことを自分に吸収するだけの知的好奇心が必要です。

以上が、国公立大学や難関大学を目指すうえで必要となる「勉強に向き合う姿勢」です。
これらが欠けていると、教科学習でない部分に使う時間が増えてしまい、受験勉強をするうえで大きなビハインドを持ってしまいます。

幼いころからできること

では、「勉強に向き合う姿勢」の3つの要素を伸ばしていくために、保護者の方ができることをお教えします。どれかだけではなく、満遍なく伸ばしていくことを心がけてください。

長時間の勉強に耐える集中力を養うために

ここで最も大切なことは「保護者の方が一緒に勉強をしてあげる」ことです。

例えば、子供たちが宿題をしているときには、横で一緒に本を読んだり、資格の勉強をしたり、仕事を持ち帰ってしたりします。
皆さんもお仕事や家事などでお忙しいとは思いますが、子供たちの未来のためですので、一緒に勉強をしてあげてください。

子供たちを思ってる以上に、お父さんやお母さんの過ごし方を見ています。もし、大人が勉強をしていないと「勉強は大人がやっていない苦行」だと思っていきます。
やりたくないことをし続けることほど、集中力を持たせることが難しくなります。まずは、勉強はやって当たり前という空気感を家族として作っていくことが重要になります。

 

またちょっとしたコツとして、家族で勉強をする時間を決めることも効果的です。
保護者の方も、長々と勉強や仕事をするのは息が詰まります。「ご飯を食べてた後、30分間は勉強をする」といったルールを染みつけることで勉強を当たり前にすると、子供たちもすんなりと勉強に移行してくれます。
子供たちにはなるべく単純で、わかりやすくルールを決めてあげるとスムーズです。

 

子供が勉強しない!と思う前に、家族全体の空気を一度確認してみてください。苦行を押し付けていませんか?

勉強の基礎体力を養うために

基礎体力を養うためには、「繰り返し」が最も効果的です。

特に計算力に関しては、もう出来るようになった!と思わずに繰り返し行ってください。
計算は頭でゆっくりと考えればできることが多いですが、これでは不十分です。無意識に近いレベルでできるようにしなければいけません。

計算の基礎力の考え方

イメージは自転車の乗り方です。

自転車というのは2つのことを同時に行います。「足を動かしてペダルを漕ぐ」「状況を見ながらハンドルを操作する」という2つの動作です。
この時に、ペダルを漕ぐことに意識が集中している人がいるでしょうか?「今右足を下したから、左足の力を弱めて…」といったように考えていたら電柱や人にぶつかりますよね?

計算の基礎力も同じです。計算だけが目的ではなく、その先にある複雑な問題を解くためのツールでしかりません。ペダルを漕ぐくらいまで自然なものとして、体に染み込ませる必要があります。

この繰り返しには、さらにいい面があります。「できること」を繰り返すので、子供たちの自信になっていくことです。
まずはできるレベルの問題集や計算ドリルを、何度も何度もしつこいくらいに繰り返しやってください。
小学生はその時間があります。中学生や高校生になってしまうとこの時間がなくなるので注意が必要です。

 

また語彙力に関しても、「このテレビは難しいから」ではなく、見せ続けて大丈夫です。子供たちは想像以上の早さで言葉を覚えて自分なりに理解していきます。
本当に頭のいい子ほど、大人顔負けの知識を持っていることが多いです。それは本やテレビなどから自然と学んでいるのでしょう。

 

幼い子(小学生低学年以下)にしか効果は高くありませんが、こういった本やテレビを見ることを誘発するためには、「これは大人のだから」とわざと子供から遠ざけることがいいと思います。
この年齢の子たちは、自我が芽生え、大人と違うことを極端に嫌がります。それを逆手に取って、わざと遠ざけておくが子供がギリギリ手の届くところに置いておくと効果的です。

わかりたい!という知的好奇心を養うために

これが最も難しい作業です。子供たちに「知ること、勉強することは素晴らしいこと」だと言い聞かせていくことです。

 

お父さんやお母さんが、何かを否定的なことを言ってはいけません。「あいつは勉強だけしかできない」「(テレビに向かって)あいつは偉そうにしゃべってる」といったようなネガティブな言葉を発すると、子供たちをそれを覚えています。

先ほどの、「わざと遠ざける」というのも効果的です。知的好奇心を養うためには、大人としても様々な勉強が必要になりますので、一緒に勉強をしているときに学んでいくのはどうでしょうか?

子供たちに今からできること

一番して欲しいことは、子供と一緒にいろいろなところに出向き、一緒に学ぶことです。
お父さんやお母さんが楽しそうに学んでいるからこそ、子供たちも楽しそうに学びます。大人が、ソファーに寝転がってスマホをいじっていれば、勉強好きな子に育つでしょうか?

子供たちはすごく素直です。幼いお子さんのいる保護者の方ほど、一緒になって勉強を楽しんでください。きっとお父さんやお母さんの背中を見ながらいい子に育ってくれます。

子供は親の背中を見て育ちます